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認知症シリーズ その人らしさにこだわるプランづくり

 認知症になると、すべてのことが出来なくなってしまうように捉えられがちですが、少し視点を変えてその人らしさやできることを発見することで、周囲の人たちとの関係や実践がより豊かなものになっていきます。
 Fさんは認知症の夫の介護を10年以上続けるうち、自分自身の記憶障害が進んで来ました。特にお金の管理が難しく、月末になると電話も電気も止まってしまうという状況でした。お金の管理を代行する制度を活 用し、毎週7000円の生活費を職員さ んが届けてくださるようになって安心したのもつかの間、3日後にはお金が尽きて、「私を飢え死にさせるの?」と電話がかかってきます。  いっそのこと毎日弁当にしてあとはヘルパーさんによる買い物で全てを管理できるようにしてしまおうか、とも考えました。でもまてよ……Fさんが生活の中で楽しみにしていることは何だろう?自転車に乗って近くのスーパーに出かけること、夫の好きな果物を吟味して買うこと…この習慣を奪ってもいいのか?自転車にだって乗れなくなってしまうのでは?・・・。
 現在、Fさんにはこれまで通り自由に買い物をしていただき、週の後半はヘルパーさんに缶詰など栄養があって安価で保存のきくもので調整をしてもらっています。
 これからもFさんからさまざまな宿題をいただきながら、ご夫婦が笑顔ですごせる生活を応援したいです。

在宅介護センター城北
 所長 中刎雅子

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