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認知症シリーズ 連載16回

役割、目標、つながりを大切に

Bさんご夫婦はともに90歳代でお二人暮しです。Bさんは数年前から腎臓を患い、認知症の悪化もあり、家事などができなくなり寝て過ごすようになりました。そこでデイサービスや訪問介護を利用しています。デイサービスは数か所利用しましたが、今の小規模の所がBさんにはぴったり合いました。
Bさんは会社勤めの夫を支え、二人の子どもさんを育てながら、さまざまな趣味を持っていました。木目込み人形はプロ級の腕前でした。その趣味の多彩さに注目したデイサービスの職員は、家族のために作品を作る目標を作ってくれました。夫のためにマフラーを、娘さんには敷物に刺繍を、今は自分のためにクラフトバッグを作り、さらに地域の作品展にも出品されました。
ゆっくりと自分のペースで、時には職員のアドバイスをもらいながらの作品作りです。昔取った杵柄でとても丁寧で素晴らしい出来栄えです。
訪問介護のときには、台所に座って野菜の皮むきを手伝い、その野菜でヘルパーさんがお味噌汁を作ります。病気や認知症で、自分ひとりで全てを出来なくなったとしても、少しの支援で昔のように作品作りを楽し  んだり、食事作りの一部を担うことができます。自分の役割を持つ こと、目標を持つこと、社会とつながることが生活の中でとても大切で、意欲につながります。
ご主人もBさんのために、一生懸命慣れない食事を作り、いつも夫婦漫才のような掛け合いが楽しく、お互いのことを気遣う愛情深いご夫婦で、ケアマネはいつもそのやり取りにほっこりし、尊敬の気持ちでいっぱいになります。

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